自筆証書遺言の法務局保管制度【行政書士オフィス未来計画】
2020/09/04
自筆証書遺言と公正証書遺言
自筆証書遺言の法務局保管制度が、今年の7月から始まっています。
自宅で保管する自筆証書遺言との大きなメリットは、
・家庭裁判所で検認の必要がない
というところです。
ただ、公証役場で作る公正証書遺言に比べると、やはり信ぴょう性に劣るというところがあります。
遺言者が50・60歳代と若ければ良いですが、70・80歳代となると認知症の恐れが出てきますので、自筆証書遺言の場合、作成時の遺言能力を争点に争われると弱い部分があります。
公正証書遺言だと公証人の先生が作成するので、その時点で遺言者が遺言能力があるかどうかという見極めがある程度されるので、遺言能力云々という点の心配がなくります。
遺言者が若ければ自筆証書遺言の法務局保管制度を利用して、確実性やお年を召した方は公正証書遺言をお勧めというところですね。
実際に法務局に行ってみて
7月から始まった制度で、先日私も初めてこの制度を利用する遺言者様に付き添って法務局へ行ってきました。
・自筆証書遺言書
・申込書
・身分証明書(運転免許証・マイナンバーカードなど)
・印紙3,900円分
が必要書類になります。
申込書はコンピューターに読み込ませるOCR用紙の様なフォームです。
ここに遺言者の住所・本籍・生年月日、相続人や遺贈者の住所・氏名・生年月日を記入します。
本籍ですが、遺言をする様な方なのでそれなりにお年を召していますので、
本籍の住所表示が町村合併や町名変更で変わっていることが多々あります。
戸籍謄本通りに本籍地住所を申込書に記載しても、その住所表示が変更になっている場合、
コンピューターにはじかれてしまうようです。
法務局の方が現在の住所表示を確認して、申込書を訂正して、それでやっとコンピューターに
入力できて自筆証書遺言の法務局保管が完了します。
遺言者も自分の戸籍住所が変更になっているかどうかなど知らない人が大多数と思いますので、
自筆証書遺言の法務局保管制度はしばらく窓口で住所表示をめぐって時間が掛かりそうな感じがします。