遺言書を書いた方がよい場合ー認知症ー 【行政書士オフィス未来計画】
2020/03/15
相続が始まった時
亡くなった本人の相続人に妻と子供3人いて、その子供の一人が認知症の場合、困ったことになります。
認知症だと「行為能力がない」となり、法律行為ができなくなります。
平たく言うと、遺産分割協議に参加できないという事です。
このような場合、認知症の子供にすでに法定後見人・任意後見人なりがすでに選任されていれば、
後見人が代わりに遺産分割協議に参加となりますが、選任されていなければ家庭裁判所に
法定後見人の選任申し立てすることから始めなければなりません。
申し立てをしてから選任まで3か月~6ヵ月かかりますので、その間相続手続きが止まってしまいます。
認知症の方に子供がいれば、病院に入院や福祉施設に入所などの手続きは、なんだかんだ言って
子供が手続きをして済みますが、土地家屋の売買・銀行の定期預金引き出しといった本格的な
法律行為は不可となり、法定後見人を立てなければなりません。
これと同じことが遺産相続の時にも起こることになるのです。
遺言書を書いておけば
しかし、遺言書、それも「公正処暑遺言書」を作っておけば、公正証書遺言書で相続手続きができて、
土地家屋の移転登記や銀行預金の名義変更ができます。
公正証書遺言書に遺言執行人を定めておけば、さらに問題がありません。相続が始まったら、
相続手続きは遺言書に沿って粛々と進みます。
認知症の方は、本来は法定後見の申し立てをした方がいいのですが、法定後見人がついたら
法定後見人に月2~4万円の報酬を一生涯支払う必要があるので、認知症の方に子供がいて、
入院や介護施設入所の手続きを子供がしてくれるなら、法定後見人を無理してつけることもありません。
行政書士の私がこのような事を書くのも何ですが。
同じように、公正証書遺言を書いておけば、子供が認知症になっていても、法定後見を付けることもなく
相続が進みますので、自分の死後に何か問題があっても相続がスムーズに進むためにも公正証書遺言を
残しておくことが、残された家族のためにも大切なことと思います。